■□■ストーリー■□■
「おにいちゃん…目を開けて…お願い」
かすかに聞こえる妹の声。

目を開こうとしても開けない。体を動かそうとしても動けない。
一体、俺は…どうなってしまったんだ…。
意識はある…が、まるで何かに制御されているようだ。

「さぁ、祐美くん、君のおにいさんを助けたいのであれば…」

どこかで聞いた男の声。

「…はい…。」

俺の・・・俺の妹が、今まさに俺のすぐ傍で毒牙にかけられようとしているのだ。
だが、今の自分にはどうしようも出来ない…。
激しい怒りと何も出来ないもどかしさに、聞こえてくる声をじっとかみしめて……。
——水野総合病院の暗部、知るものの間では通称「VIP病棟」と呼ばれる施設。
そこの患者達は、自分専用の「特看」を手に入れるためにやってくる。
祐美は、ある患者により、「特看」すなわち「特別奉仕看護師」として選ばれたのだ。
運悪く事故に遭った俺の為にと口車にのせられ、俺のかけがえのない妹が、
俺の目の前で淫らに溺れていく——。

■□■登場キャラクター■□■
●尾崎 祐美 (おざき ゆみ)
看護学校1年。付属看護学校に通い、看護師を目指す主人公の妹。

幼い頃、家族そろって行楽地に出掛けた矢先に事故にあい両親を亡くしている。
主人公は軽症、祐美は重症を負ったが奇跡的に一命をとりとめた。

幼い祐美にとって、両親の死はとても深く傷ついたが、博人の献身的な支えにより、
徐々に明るさを取り戻していった。

●桜木 香苗 (さくらぎ かなえ)
医大2年。主人公と同じ大学に通う幼馴染。
成績優秀、運動もそつなくこなす真面目な優等生だが、少女小説や映画のヒロインに憧れ、
理想の恋愛を演じようとする可愛い面もある。

幼い頃から主人公にほのかな恋心を持ち、いつかは告白したいと思うが、
いざ目の前にすると気持ちとは裏腹な行動に出てしまう。

●佐伯 希美(さえき のぞみ)
看護師 小児科。主人公と祐美の従姉。
新婚一年目の若奥さん。夫とは結婚早々に単身赴任で別々に暮らしている。

結婚するまで主人公は希美に淡い恋心を抱いていたが、
頼りになる男性を求める希美にとって、当時の主人公は若すぎて上手くいかなかった。

結婚後すぐ遠距離生活になった為、物足りなさを感じた希美はついつい主人公にチョッカイを出してしまう。

●水野 純也 (みずの じゅんや) 外科医師
水野総合病院の外科医師。
容姿端麗、成績優秀、若いながらも天才的な腕前を持ち、周囲の評判は良い。
だが、祖父が設立した「特看」を利用し、VIP専用の看護師を次々と仕立て上げるといった裏の顔を持つ。

●赤井 彰信(あかい あきのぶ) 理学療法士
元々は街のチンピラ。一度死にかけるほどの大怪我をおった時に、純也に助けられ今に至る。
精力、体力はあるが、脳味噌は足りない。理学療法士になれたのも純也が裏で手をまわしてくれたからである。

●仁村 清志郎(にむら きよしろう) 新薬研究員
根暗の上、マイナス思考でプライドが高いため、怒らせると何をするか分からない意外と怖いタイプ。
容姿、短小包茎などの身体のコンプレックスから、自分に自信がない。
それ故に、女性と普通に付き合った事がない。

●尾崎 博人(おざき ひろと) 医大2年(主人公)
優しく、面倒見も良いが、思いと行動が空回りする不器用な青年。
妹以外の女性に対しては、なかなか積極的にアプローチができない。
運悪く、事故に遭い水野総合病院へ入院するのだが…。